工務店にとっての顧客管理(CRM)と営業管理(SFA)

顧客管理と言われれば分かるけれども、CRM、SFAと言われても、その意味がピンとくる方は少ないのではないかと思う。

私自身、実際に国産のSFA・CRMシステムを10年使って、やっとイメージができたぐらいである。
一般の方、ましてやパソコンにうとい方にそれらを理解しろといっても難しいのではないかと思う。「顧客管理」=CRM、「案件管理」=SFAというのが私の解釈だが、使い方によっては別の考え方もあるかもしれない。
色んなとらえ方ができるからこそ、対象を絞らないとぼやっとしたものになる。

その意味で「新築をメインとする工務店」にとってのCRM・SFAを考えてみたい。

新築主体の工務店の場合、アフターフォローよりも受注のための営業管理=SFAを活用したいのではないかと思う。見込み客から商談客へとランクアップして、最終的な契約までフォローしていくツール、それが工務店にとって必要なツールだろう。

新築の営業は営業ステップとステップごとのヒアリング項目も多く、その設定が新築主体の工務店がSFAを導入するポイントになる。
ただ、案外、社内の営業ステップを決めていない営業まかせの工務店が多く、SFAを組む時に四苦八苦することが多い。そんな工務店はたいていステップごとのヒアリング項目もあいまいで、システムの設定以前の問題となることが多い。

なのでシステム設定の前に、まずは社内で営業ステップとヒアリング項目のすり合わせを行うことからスタートする。それらの内容は、工務店が得意とする内容によって、各社いろいろなパターンがある。土地の手当てがやりやすい不動産系の工務店と、建物にこだわり単価も高い工務店とは、営業ステップもヒアリング項目もかなり違ってくる。

自社の強みに合わせた営業フローの構築が求められるが、案外当事者からするとどのようにしてよいか分からないことが多い。提案ツールが標準化されていないことも、進捗設定が決められないことにつながる。

また商談客が顕在化する前の見込み客の状態の場合、SFAの機能よりもCRMの機能が重要になる。具体的には、DMやメールの送付といった長期的な顧客育成にCRM機能を活用するということだ。アンケート用紙と連動したCRM項目を作成しておいて、記入された内容に応じてDM・メールを出すといったフローを構築するのである。

CRMとSFAの活用バランスをどのように保っていくかが、工務店のCRM・SFAを活用するポイントとなるのである。